特別、甘いものが好きなわけではなくとも、クリスマスケーキは特別なものだと思います。
子どもの頃は、誕生日とクリスマスのみがケーキをホールで買ってもらえる機会であり、母が持ってくる広告に、目を輝かせて吟味していました。
そして、いい大人になった今、私はお酒もほとんど飲まないわりに、甘いものも食べない大人になりました。
まして、ケーキなんて買ってあげても、買ってもらえる歳ではなく、誕生日を祝ってもらったとしても、ケーキを用意してもらうのは気が引けます。
そこへ来て、クリスマス。
クリスマスは子どもやイベントにかこつけて、いい大人の男性もケーキを堂々と食べてもいい唯一のときです。
あくまで、他人の目を気にする私にとってはになるでしょうけど。
自分に妻と子どもがいれば、クリスマスケーキを囲んで、お祝いをして、夜は子どもが寝た後に、プレゼントを枕元に置くという王道の食べ方が出来るんですが、いつからかスレた人間になってしまい、それも叶わぬ夢かと諦めつつある昨今です。
そうなってくると、食べる機会はありません。
甘いものや、小さなケーキならば、食事の後のデザートや、知人が立ち寄った際の手土産など、食べる機会はあるかもしれません。
しかし、独身のアラフォー男性に、ホールでケーキを買う機会は本当にありません。
まして、クリスマス。
仮に恋人がいても怪しいところです。
ケーキより高い食事を所望されるでしょうし、小さなケーキなら、コースに含まれているかもしれません。それはそれでクリスマスケーキですね。
しかし、私にとってのクリスマスケーキはあくまでホールであり、家族の幸せの象徴のように思えて、なかなか遠い存在なのです。
大学生の頃、アルバイト先のスーパーマーケットで、売れ残ったクリスマスのホールケーキを格安で売ってもらい、男だけで集まって、野太い声の『きよしこの夜』を歌いながら、皆で、3個のホールケーキを貪り食って以来、クリスマスケーキ(くどいようですがホール)は食べていません。
当時は、寂しささえ吹き飛ばして、むしろオイシイギャグイベントにしてしまえ!という
若さゆえの勢いがありました。
開き直って、男だらけのクリスマスパーティーは、今も、仲間内で語られる熱いイベントであり、初めて聞いた人は、吹き出してしまうようないい思い出となりました。
クリスマスケーキというのは、きっとケーキ単体ではなく、イベントと共にあることで、記憶に残るものなのでしょうね。