天然=安全ではない

身を守るために毒もつくる植物
天然=安全ではない

また例えばハッカの香り成分のメントールは、ミントの葉から抽出することもできれば、化学合成してつくることもできます。
両者は全く同じ分子構造を持つ化学物で、原子に個性はありませんから、その結合の仕方さえ同じであれば、天然由来であれ、化学合成物であれ、その性質は全く同じです。
最先端の分析機器を使っても両者を区別する方法はなく、私たちの体も両者を見分けることができず、体内に入ったときの作用も同じです。

化学物質

また、そもそも自然界に病原菌やカビ、フグのように毒を持つ生物も数多く存在し、植物も移動ができないからこそ、毒をつくって身を守っているものがたくさんあります。
身近な例ではスズラン、アジサイ、キョウチクトウもそのひとつ。
農作物は人間が品種改良を重ねて毒を無くしてきた結果、安心して食べられるようになったもので、実際、原種のトマトには毒があって食べられないものもあります。
さらに嫌われ者の化学物質の代表格、ダイオキシンやフロンも、実は人間がつくり出す以前から自然界に存在していたことが確認されています。

したがって天然=安全とはいえないのです。
”天然由来だから””化学合成物だから”という枠組みで、安全、危険を議論するのはナンセンスと言えるでしょう。

たしかに化学物質には危険なものもある。
今では厳しい試験のもと、安全が図られている。

もちろん化学物質には危険なものもあります。
古くは明治時代の足尾鉱毒事件、高度経済成長期の水俣病などの公害は、周辺環境に排出された毒性のある化学物質が招きました。
化学物質すべてを過度に危険視する風潮も、そうした公害から生まれたものでしょう。
しかし、化学も公害の災禍から多くを学んで進化しました。
今では非常に厳しい試験が行われ、様々な分野で化学物質の安全が図られるようになっています。

構造一つの違いで毒にも薬にもなるのが化学物質

また化学物質はほんの少し構造が違うだけで、毒にも薬にもなります。
一見、何処が違うかわからないほど構造式が似ていても、一方は猛毒、一方は医薬品になるといったことが非常にたくさんあるのです。
例えば酢の成分である酢酸は、食べても安全で、体内で栄養を分解する過程でも生成される重要な化学物質ですが、その分子構造の中に一個だけフッ素という原子を紛れ込ませると、代
謝システムを阻害する猛毒になります。
それだけに同一カテゴリーのものすべてが危険だ、安全だともいえず、ひとつひとつ丁寧に見ていくほかありません。
こうした点からも、化学合成物か天然由来かで、危険、安全を論じるのは、非常に雑な議論といえるでしょう。

公害の経験を経て進化した化学。
その知恵を暮らしに活かすべき

かつては真っ黒で臭かった排気ガスも今では色もニオイも減少し、公害が頻発した時代、ヘドロで汚染された河川もはるかにきれいになりました。
そうした問題もひとつひとつ化学が解決してきたのです。
公害を招いた経験を経て、何が危険か、どんな使い方をすれば安全かのデータが蓄積された今、化学物質はずいぶんと安全委使えるようになっています。
私たちはむやみに化学物質を毛嫌いするのではなく、その知恵を暮らしに活かすべきだと思います。
化学物質と言えば、ドッグフードもピンキリがあってワンちゃんを飼っている人は心配だと思います。
散歩に行って、路上に落ちている物を拾い食いするのも心配です。

無駄吠えを含めていろいろしつけには苦労している人が大勢います。
うわさでは、ワンちゃんのしつけには「しつけくん」がよさそうですよ。