化学物質にかけられた誤解を解く

第2章
化学物質にかけられた誤解を解く

性質の断片から、過度に危険視されてしまう化学物質。
その例は、美容健康プロダクツの中にも多数ある。
なぜ、過剰に危険視されるのか、事実はどうなのかを解説します。

界面活性剤

界面活性剤
発ガン性の疑いが晴れないラウリル硫酸ナトリウム

水と油を仲立ちしてくれる界面活性剤。
シャンプーや化粧品にも欠かせないものですが、環境に負荷をかける、肌を傷める、発ガン性があるなどのパッシングが止みません。
確かに当初、合成洗剤に使われたものは生分解性がなく、家庭排水が流れ込んだ河川が泡立ち、水中の酸素が不足して魚などが死ぬなどの被害を出しました。
しかし、その後、分解を受けやすいラウリル硫酸ナトリウムが登場して環境負荷の問題は大きく改善されました。

また、刺激の強い界面活性剤には確かに肌を荒らしますが、界面活性剤には多くの種類があり、基礎化粧品には最も刺激の弱いノニオン界面活性剤が使われています。
石鹸やシャンプーに使われるアニオン界面活性剤、リンスやトリートメントに使われるカチオン界面活性剤は、ノニオンより若干刺激がありますが、使用量や使用方法を守ってる限り、
大きな問題は考えにくいでしょう。

発ガン性も複数の団体の調査によって否定されています。
しかし嫌疑はなかなか晴れません。
これは科学においては「○○がない」ということを実証するのは、きわめて困難であることが要因です。
例えば家屋でネズミを一匹見つければ、「いる」は実証できますが、「いない」はなかなか実証できません。
何故なら天井裏や床下に隠れているのではないかと、どこまでも疑えるからです。
化学物質もまた、一度かけられた疑いはなかなか消せません。